第一話「戦う少女」

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 人気のないところ……  本当にここであってるのかな~  不安になる乙愛  すると草の方からガサガサ音が聞こえて、乙愛は身体をビクッとさせ、聞こえてきた方を警戒する  が、今度は逆の方から 「そこのあなた!」  と、自分を呼ぶ声が急に聞こえてきた  乙愛は驚き、声がした方をゆっくりと振り返る。  すると、そこには羽の生えた小さい女の子の見た目の精霊がいた 「あなたですよ!あなた!」  精霊が目の前にいる……  乙愛は、今の状況が全く理解出来ない 「え? え? どういう事!? 精霊……!?」 「落ち着いてください! 私の話を聞いてください!」  戸惑う乙愛の様子を見て、精霊は乙愛を落ち着かせる  ゆっくりと深呼吸をし、乙愛は話を聞くことにした  その様子を見て、精霊は話し始める 「お願いがあるんです」 「今、この世界にはがいます! どうか、そんな存在からこの世界を守る戦少女になって、戦ってください!」  そう言うと、頭をペコペコ下げながら乙愛に頼む 「うん! え? 戦う……?」  今、戦ってって言った? それに戦少女って__  確か、歴史の教科書とかに載ってた、あの?  乙愛はすぐに受け入れた  が、内容に少し驚き、色々戸惑っていた 「戦少女になれって、言われても……どうやって__」  しかしそんな乙愛を置いてけぼりで、精霊は話を続ける。 「申し遅れました! 私はナビル! 戦少女の皆様を支えている、普通の精霊です!」 「いや、そうじゃなくて……」  精霊__ナビルの言葉に、ますます困惑する乙愛 「あなたが手に持っているその羽根は、戦少女に変身して、戦う力になるんですよ!」  ナビルがそう言ったのに対し 「あの〜、たまたま拾った羽根だけど……」  と、乙愛はボソっと呟く  しかし、ナビルは話を続ける。 「その力でどうか……を!影の化け物(シャドウモンスター)をなんとかしてください!!」  ナビルの言葉に乙愛はふと思った。  影の化け物……  私が小学生の時に、影の化け物については教えてもらったし、影の化け物も歴史の教科書に載ってた  人を襲い、あらゆる物を破壊する  影の化け物に遭遇し、襲われた人間が無事に帰ってきたという話は聞いた事がない  どっちかと言うと、犠牲者の事とか、今まで影の化け物によって起きた事件の事ばかり……  えっと、確か影の化け物は  接触した人間を、灰にしたり、黒くドロドロに溶かしたり、するんだとか……  う……考えただけでも、寒気と鳥肌が……  あと、もいるらしいけど、そんなのと戦えって無茶振り過ぎるよ〜!  乙愛がそう思っていると__ 「誰かー! 助けてー!!」  突然、助けを呼ぶ声が聞こえ、乙愛は声がした方へ向かう。 _______________________  ービルの屋上ー  屋上の鉄ドアを開けて、辺りを見渡す乙愛  すると端っこの方に、恐怖に怯えながら、うずくまっている女の子がいた  乙愛は女の子に近づき、そっと話しかける 「ねぇ、さっきの助けを呼ぶ声は君の声?」 「ひっく、ひっく……」  乙愛が聞いても、女の子はしゃくりあげるだけ……  乙愛は女の子の背中を擦りながら 「大丈夫、大丈夫……」  と優しく言う。  乙愛の問いかけに対して、女の子はコクリと頷く  泣いていたが、女の子は頑張って呼吸を整える  落ち着き、口を開いて話し出す 「学校の帰り道で影の化け物に追いかけられて、ここまで逃げてきたの……」  女の子がそう言うと、乙愛は女の子の瞳に浮かんでいた涙を拭き取る  そして頭を撫でて言った。 「そっか……よくここまで頑張ったね、怖かったね……」 「でももう、大丈夫だよ。ここにいれば安全だから__ね?」  その言葉を聞いて女の子は頷く  だが、二人が安心したのも束の間__  鉄ドアがバコン! と、音を立てて凹む 『……ッ!?』  凹んだ瞬間、二人の安心はまた恐怖に変わる  バコン! バコン! バコン!  鉄ドアが何度も凹む音が二人の恐怖心を更に煽っていく 「お姉ちゃん! こ、怖いよぉ……」 「大丈夫、お姉ちゃんがついてるから……」  乙愛にしがみついて言う女の子  乙愛は女の子を落ち着かせるのと、自分の中の恐怖を抑える為に、ただひたすらに繰り返し言う  が、とうとう鉄ドアが吹っ飛び、ドアの向こうから影の化け物が出てきた。 「あの影の化け物は!?」  声を上げるナビル  乙愛が問いかけると、ナビルは話し出す 「……私は戦えないので、ただ見てる事しか出来ませんでしたが__」 「あの時の、影の化け物です!」  ナビルが答えると 「え? 人の感情から、生まれた……?」  と言って、乙愛は困惑した。
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