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すると突然、影の化け物が苦しそうに呻く
「ヴヴヴ……ヴヴヴ……」
「ア"ア"ア"ア"ア"ア"……ッ!」
っ!? な、何……?
影の化け物、なんだか凄く苦しそうにしてる……
その様子を不思議に思った乙愛
するとそんな乙愛の頭の中に、ノイズ混じりの声が聞こえてきた
(苦シイ、苦シイ……皆、どuセ、いnaクなru……消エて、ナ苦なru……)
急にノイズ混じりの謎の声が聞こえてきて、乙愛は動揺を隠せない
何、この声……?
影の化け物が言ってるの……?
まるで生きるのを諦めているような……
乙愛は、次から次へと自分の身に起こる現象が理解出来ない
するとまた、乙愛の頭の中にノイズ混じりの声が聞こえてくる。
(どuセ、いnaクなruナら……ここデ……消エテ、なくなってしまえばいい!!)
「! そ、そんなの__」
そんなの__だよ、そんなの__
その声を聞いて、心を痛め、心の中で何かを呟く乙愛
「ヴゥ"……ヴア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!」
影の化け物は、人の悲鳴のような叫び声をあげる
が、乙愛にはその声が助けを求めているように見えて、心の中の想いを思わず叫ぶ
「そんなの駄目!!」
「ヴォオオオオオオオオオオ!!!」
しかし、影の化け物に乙愛の声は届かず、影の化け物は叫び声をあげ、乙愛達に襲いかかってきた
もう、駄目なの? 誰も助からないの……?
と、乙愛が諦めかけた__
その瞬間、乙愛が持っていた白い羽根が眩い光を放つ
「!? な、何!?」
驚く乙愛
対して影の化け物は、その光を見て怯む。
「この光、もしかして__」
「乙愛様! その羽根に祈ってください!」
え? え? え?
なにがなんだか、分からないままなんだけど……
とりあえず、祈れば良いのかな……?
皆を助ける為に、守る為に__お願いします!!
乙愛がそう祈ると白い羽根が強く光る
そしてその光は乙愛を包み込んだ。
_______________________
乙愛が目を開けると、そこには影の化け物がいなかった
光輝く……現実世界とほぼ同じだが、少し異なる世界が広がっていた。
「ここは、一体……?」
乙愛は周りをキョロキョロ見渡す
ナビルも女の子もいない、乙愛以外誰もいない……
そんな空間で、何処からともなく乙愛を呼ぶ声が聞こえてきた
「__乙……愛、乙愛……天羽乙愛」
「! 誰っ……!?」
乙愛が振り返ると、そこには__
乙愛に似た……
乙愛より少し年上の、髪の一部をツインテールでくくった、白髪の長い髪に天使のような見た目をした女性がいた。
「初めまして、私の名はアンジュ。天使の力を司る、神聖の一柱です」
とても優しい表情をしていて……
穏やかで癒される声の、アンジュと名乗る女性
「えっと、アンジュさんが私をここに呼んだんですか……?」
「はい。ここは神聖と選ばれた少女のみがいる事の出来る神聖世界です」
「私は貴女の思いのお陰で覚醒する事ができ、貴女をここに呼ぶ事も出来ました。本当にありがとうございます」
乙愛に聞かれ、アンジュはそう答えると、静かに頭を下げる
「えっ、ちょっと待って下さい!」
神聖? 神聖世界?
選ばれた少女? 私の想い?
覚醒……? 呼ぶ……?
色々追いつかなくて、頭が混乱してきた〜……
混乱している乙愛を見たアンジュは、穏やかな口調で話す
「簡単に言うと、私は貴女に会いに来たのです」
「私に会いに来た? どうして……?」
アンジュに問いかけた乙愛
「……貴女が私の力を求めたからですよ。さっき使わせてほしいと言っていたでしょう? 私の羽根に」
当たり前のようにアンジュが答える
すると乙愛は、思い出したかのように白い羽根をアンジュの前に出して聞く
「もしかしてこれの事ですか……?」
「ええ。それは私の力の欠片です」
微笑みながら、アンジュは言う
そう聞いて乙愛は、しばらくしてから
「えぇぇぇ〜!?」
と声を上げる。
力の欠片!? 神聖とかよく分からないけど……
なんか私、とんでもない物を知らない間に持ってたの!?
いつの間にか自分が凄い物を拾っていた事に驚く乙愛
「乙愛。でなければそんな物、空から降って来ませんよ」
「あ、そうですよねー……」
驚いている乙愛を見て、小さく笑うアンジュ
それに対し、乙愛は小声で呟く
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