始まり

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始まり

どうしてこんなことになってしまったんだろう・・・。 たかがネットの世界、されどネットの世界。 たかが恋愛、されど恋愛。 今からお話することは実際に私が体験した出来事です。 あの日から私の毎日は輝きだした。 仕事へと向かう朝の道路も、窮屈な満員電車の中も、私物を入れておく職場のところどころにサビが見えるロッカーでさえも、キラキラと眩しくすら感じることがある。 一週間前までとは大違いだ。 代わり映えのない毎日を過ごすうちに気づけば三十代半ばになっていた自分に私は飽き飽きしていた。 「はぁ」 この頃は自分から吐き出されるこのため息も聞き飽きていた。 朝起きてはため息、職場に着いてはため息、仕事の合間にも、仕事が終わってからも、眠りにつく前も。 一体いつまでこんなくだらない、つまらない毎日を過ごせばいいのだろう。 「おはようございます」 見慣れた職場で次々に朝の挨拶が交わされる。 「理絵さぁん、おはよう」 毎朝のルーティン通り社内の規定に乗っ取り、私物をロッカーに入れ、オフィスに持って入る物だけを会社から支給された透明のバッグにせっせと詰め込んでいる時に、その作られたような甘ったるい声が聞こえてきた。 「真由、おはよう」 私も彼女と同じようなテンションで挨拶を返す。
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