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俺はもう帰るはずだったが、ライトが気になって仕方ない。近くの寿司を注文し食べながら見守ることにした。
あの女、4本目で止まっている今現在でいくらだ?ドンペリ白から始まった…白はドンペリの中で低額と言えど、それだけで前回の支払いの倍額だ。テーブルチャージを合わせて倍額を越えているってことだ。それプラス3本のワイン。優秀なスタッフがドンペリより安価なものに誘導したからうまくコントロールされている。今40万弱ってところか…
‘失礼致します。南様、私とライト…南様にご挨拶させていただきたく参上いたしました’
‘ご丁寧にありがとうございます。流さん、ライトくん’
‘南様、ご無沙汰しております。先日俺の休みの日にお越しだったと聞いて残念だったんです。本日やっとお会い出来て嬉しいです’
‘あら…お上手だこと、ライトくん。二人とも良かったら一杯いかが?トーマが今日は飲むより食べてるのよ…ふふっ’
‘‘ありがとうございます。いただきます’’
‘南様っ、俺これ久しぶりですっ!モエのネクターアンペリアル好きですっ’
モニターには、大袈裟にならない程度にシャンパンボトルを掲げたあと一瞬抱きしめる素振りのライトが映し出される…おいおい、それ10万するからな…ドンペリより安いが…あいつの席から見える角度だな。
‘そう、だったら1杯と言わずにいくらでも楽しんでちょうだい。他のお嬢様たちのお相手の妨げにならない程度にね’
去年、還暦をここで派手に祝った南様は、他の客にも配慮しつつお気に入りのトーマの売り上げに貢献しようという、客の鑑だ。
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