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飲みなさい、ときたか…それにしても…
「それで止めろよ」
ボーイに指示する。これでどうにかボーイからライトたちにサインが伝わるだろう。しかし、ムカつくほど本人が気分良さげなんだよな…いくら持って来てるんだか…
モエを流、トーマも最後には飲んだようだが、一斉に他の客のところへ散る。指名もされていないのであり得ることだ。ハクも挨拶をして立ち上がる時に
‘私、今日はこれで帰る’
‘瑠璃子様、楽しい時間をありがとうございました。特に瑠璃子様のコンビニエンスストアでのアルバイトのお話は為になるものでした’
ハク、最後までご苦労さん。うちの店で聞いたことのないような話だがよく付き合ってくれた。モニターには出入口までハクとボーイが女と一緒に歩く姿がある。
キャッシャーは金額を口に出さずに客に提示するだけなので正確な金額は俺にはわからないが、ここにはしっかりとカメラがある。カウンターを挟んでキャッシャーと向かい合い一人立つ女。少し後ろにハクとボーイが立っている。
女はバッグを開いて
「どうしよう…引き出すの忘れちゃったぁ」
と言う。やっぱり足りないってことだな。
「では、すぐ近くのコンビニエンスストアのATMで今すぐお引き出し願います。キャッシュカードがないようでしたら20分で借り入れできる機械もその隣にございます。どちらにしても、私がご一緒致します」
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