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底はかとない"愛"
貴方って酷く、汚れたものを好んでいるね?今、目の前に居る彼女は付き合って5年程、経過して居る。
随分と僕と言う人間に対してイヤに好奇心旺盛だ。多分、僕と言う人間はそう大した事ないんだよ…随分落ち込んで居た僕は、俯きながら、膝を丸めてしゃがみ込んで居た。
そんな!そんな言い方辞めてよ…
彼女は、そう言って、自分自身を卑下している僕の事をそんな事ナイ!と強く言い張った。
僕はクスッと笑ってしまった。
何で君がそんなにムキになってんの?フフフ、キミって可笑しな人だな?
笑う僕、涙ぐむ君。
傍には無数に花びらが、舞っている。
サクラなのか?
そう言えば、四月の終わり、桜が散り、花びらが舞うそんな景色が、昔イヤに印象深く遺った事があり、別に毎年見ている事なんだけど、毎年桜の散りゆく季節に、物悲しくなる僕がいる。
"桜は 儚さといつも、隣り合わせだ"
一番好きな季節の花だよ。彼女とそんな事を話した記憶が在る。
自分が愛して居た人が死んだ時期と、丁度重なる。だから、僕はいつも、その桜舞い散るその季節がいつも、淋しくなる。君は、そうやって僕の事をいつも、見守っているー。そう、信じ込んで居るのかも知れない。
明日葉桜は、既にこの世に居ない。その事実を僕はまるで未だに受け入れて居ない。
どうしたって忘れる事は出来ない。その悲しさが、きっと僕の中で憎しみに囚われて、摺り替えられて居るからだ。僕がこの世から消えれば、それも無となる。だから、死にたい、なんて投げやりな事を僕は良く、深夜皆が寝静まった頃、一人薄明かりの灯る中、横になりながら、考えて居た。何も見ずに、静かな夜の中、ただ死ぬ事ばかり考えて居た。
明日が来るのが怖かった。
また、明日が始まるのが怖かった。
"ごめんね、苦しかったね"
キミの声が聴こえる。
良いんだよ、僕は何時だって"真っしぐら"だー。
誰かの為に生きた事は一度だってナイ。そう綺麗事言いながら、何処かで偽善者だと思って嫌っていた自分の事。だけど、此れからは、自分以外の誰かの為に生きたいーそう、想える様になった事は僕にとって大きな変化だったし、そうなる、なっていかなければ行けない事に、まだ躊躇いが有った僕は、弱さを見透かされて居た。それに煮え切らない想いを抱えて居たキミは見事に、自らが率先する事で、この煮え切らないグズとも言えるクソ野郎な僕自身、そう君になら罵られても構わないと言うていたらくだ。
僕と言う、下劣な漢をいつも、一途にずっと励まして鼓舞して、引き摺り挙げてくれて居た訳だ。僕はそれを諦めずに、根をあげず、弱味を見せず、毅然として鼓舞し続けてくれていたキミに、敬意を評するー。そう、せざるを得ない事実が在る。
フゥ、と僕は溜息をはき、そして、君を直に見上げた。
「此れからは、一人ではなく、2人で共に暮らして、2人で其れを、共作にする為の、助手として生きてください。」
今、僕の隣に居る"彼女"に向かって、ハッキリと声に出して、僕は言った。
君を必要としている。君は、僕の隣に居て下さい。
「それをずっと、待っていたの…」涙ぐむ君。今迄、なんでそんなに泣き上戸なのかその涙の訳を今更ながら、漸く知った遅咲きの間抜けな僕は、随分怠かった。今目の前に居る君は、僕に向かって語りかけている。
受け入れてくれたのね、有難う。
僕は、君の指先に触れた。自分の指先が酷く脆く感じる位、君の腕は太く、逞しく感じた。
「君の為にずっと、ラブレターを書いていたンダよね」と舌をペロっと出して、戯ける僕は、彼女の張り詰めていた何かを、解きほぐしたみたいだ。
クスッと微笑んだ君はまるで、子供を慈しむように笑った。
笑って僕を見上げて居る君は、随分前から、美しく、カメラに収めたかった、被写体だった。
携帯でツーショットでフタリ自撮りする際、いつも、大切なお人形さんみたいに、扱って居ました。
画面に僕と映っている君は、思わずカワイイ!と口走ってしまう程、少女の様に鮮やかに美しかった。
「紅葉が鮮やかなら、それよりも映えた君の方が優って居たのには、感服した想いでした。」そう、自白する僕はその後、いつもなんてね笑、と照れ隠しの為、jokeにしてしまう悪戯な笑みがあった。だけど、それは本心でした。
僕は君から見て、どう写ったのか、今度会った際、聴かせて欲しいです。
いつも、ありがとう。愛しています。
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