キター!神展開!!

2/3
前へ
/6ページ
次へ
放課後、ぼ〜としながら階段掃除をしていると、他の奴等が雑巾丸めてホウキと雑巾でアイスホッケーの真似事をして遊んでいた。 「もう!ちゃんと掃除してよ!」 同じ掃除のグループの女子が、遊んでいる奴等に叫んだ時だった。 「うるせ〜んだよ!」 と、一人が女子の肩を軽く押したつもりだったんだろう。 でも、その女子がバランスを崩して僕の方によろけて来た。 「危ない!」 って、その子の身体を支えたつもりが、思ったより反動が強くて僕の身体がふわりと浮いた。 (マジかよ!!) そう思った時だった。 「森川!」 と、僕の名前を叫ぶ支倉先輩の声を聞いたような気がした。 誰かに抱き留められ、大きな手が手すりを掴んで半円を描いて手すりの壁で制止した。 周りがホッと息を吐いた瞬間、背後から抱き締められた状態で 「バカヤロウ!階段で悪ふざけするな!俺が通らなかったら、森川は大怪我していたぞ!」 そう叫ぶと、ゆっくり手を離して 「森川、大丈夫か?怪我は無いか?」 って、俺の頭を優しく撫でた。 「はい、大丈夫です。ありがとうございます」 ドキドキと高鳴る心臓を押さえ、ぺこりとお辞儀をすると 「女子を守って、偉かったな」 と言いながら頭をぽんぽんすると優しく微笑んだ。 そしてゆっくりと階段を上り、僕が助けた女子に 「どいつ?きみを押したバカ」 そう言って、目を据わらせた。 女子が困ったように顔を見合わせていると、遊んでいた奴等に近付き 「誰?自分で名乗り出られるよね?」 そう言ってめちゃくちゃ怒っている。 でも、どいつも俯いて何も言わないでいると、先輩は深い溜息を吐くと 「じゃあ、全員生徒手帳出して。名乗り出ないなら、連帯責任だから」 と、マジギレしている。 僕は慌てて走り寄り 「先輩!コイツらも反省していますし、僕も女子も怪我をしないで無事だったので、許してもらえませんか?」 と頭を下げた。 先輩は僕の姿を見て、大きな溜め息を吐くと 「二度目は無いからね」 そう言い残して階段を上って行った。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加