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通行人たちが見て見ぬふりをして通り過ぎる。
「覚悟きめろや……おら……」
放課後の校内商店街。
大勢の人々が行きかう道のど真ん中で、男子生徒が男の胸ぐらをつかんで、今にも殴ろうとしていた。
「おーい、りっくー。いいのかぁ?また白昼堂々とやらかしてー」
また兄貴の軍団にとっつかまるぞー、とかたわらにいた青年が、ぬるい口調で話しかけた。
「うっせえ翔琉っ! おまえは黙ってろっ。――それに海のは軍団じゃねぇ、風紀委員だっ」
軍団みてーなヤツらじゃんかー、と返す青年を無視して、陸はつかんでいた男を殴り飛ばした。
通行人から悲鳴が上がる。
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