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☆
ファミレスではまだ朝定食の時間だった、お粥があったのでそれをありがたく食べた。
「初詣、行く~?」
三井さんはテーブルの上に伸びながらいう。
「野郎とふたりでなんて、乗り気がしない」
俺がコーヒーを飲みながら冷たくいうと、三井さんは両腕を丸めて顔を埋めるとウソ泣きを始めた。
「俺はこんなにたかっちを愛してるのに、どうしてたかっちはそんなに冷たいのよっ、他に女がいるのねっ」
「ええ、少なくとも女がいい」
「マジ、冷た。どうせ行く相手もいないくせに!」
そんな言葉に、はあ、とため息が出た。
「──一年の計は元旦にあり、っていうもんな。せっかく三井さんに連れ出されたし、行きますか」
「おう! って、もう少しありがたがってくれよ!」
いいながらも笑顔だ、そして支払いもしてくれる。
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