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「…宮下さん?そんな事より!この二人を病院へ!」
「いや、駄目だ!二人も死んでもらう。御目出の呪いを終わらせる為にな。」
「何を言ってるですか?」
「…『おめでとう』は『御目出十と書く。
浮かれた気持ちに現れる呪いでな。
村に危害を加える事で喜ぶ者たちへの呪いが今や、皆の戒めとなった。他人に向かって浮かれた気持ちで『おめでとう』をかけたらもう止まらない。
村で目が十集まるまで…『おめでとう』をかけられた者が目を抉られる。十の目さえ貢がれればこの呪いも止まる。
企業の人間二人で目は四つ、息子二人で目は四つ。合わせて八つだ。あと一人分、二つの目を貢げば終わりだ。」
「!?」
明久の記憶にさっきの幻聴が。
《あれは…
御目出…六。
御目出…八!
そう言うことか!》
「…なんて…ひどい…。それにそれじゃ呪いは?」
「あんたの子どもさ。これからずっと『おめでとう』をかけていく。高倉さんらも本当はモールを建てる事に賛成してたんだ。
な~に胎児ならば運が良ければ盲目で済む。これが最善の方法さ。」
「っ!」
明久は凄い力で奥歯を噛み締めた。そして勇気を振り絞り走り出し逃げ出した。
「…無駄さ…間もなく呪いは完結する。」
宮下さんは笑ってゆっくりと明久を追いかけた。
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