おめでたくない村

そんな時、運の流れが企業側にくる。

今まで土地を譲る気配のなかった地主だったが体調を崩し、それらを子どもたちへ譲る話になってきたのだ。

贈与についても税の問題があるし、企業側は土地の金額を更に高値で買うことも重なって、子どもたちは土地を売るように話を進めたのだ。

一つの印をついてからの話は早かった。

あっという間に話は進んでいく。

村民は反対をしたので応えるという形でまた説明家をすることになったが、正直もう権利が移ってしまえば、企業は怖いものなしだった。

しかし、そんな時に村民たちは話を固めていた。高倉夫婦も知らない所で。