この想いは届かない

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俺は腰を浮かせて寝台の奥へ体を運ぼうとしながら、 「無理で」 言い掛けたところで捕まってしまった。 「何が無理なんだ?」 その間にも体を探る手は止むことはなく、俺はあっという間に達してしまった。 (嫌だ……) 何とか息を整えようとしていると、 「これで何が無理なのだ」 不思議そうに言われ、既に露にされていた脚の付け根の方へ手が伸びる。 一度達してしまったため、余計力が入らない。 「あ……」 体が反応し、声が漏れる。 (こんな、みっともないとこ) 見られたくないのに、と敷布を掴んでいるとその拳を解かれ、上から指の跨に一本ずつ指を嵌められた。 「嫌がってるようには見えないが」 耳元で言われ、それだけで再び達してしまいそうになる。 「だめ……今みっとも、な……」 見ないで、と囁くように続けた時だ。 「何を言うかと思えば」 呆れたような言葉と共に一気に貫かれ、俺はそれだけで達してしまった。 (嘘……) 信じられない、というように青い瞳が見開かれる。 「や、だ」 伝い落ちる涙をそのままにしていると、 「痛かったか?」 「違っ、嫌われたくなくてっ」 「……どういう意味だ?」 「だっ、こんなっ、俺の体おかしっ」 いつもはここまでにはならない。 「……見ないで」
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