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「ラブじゃないんだよ? 私は、和也のこと友達として見てるって言ってるんだよ?」
「そんなの関係ないよ。美奈子が俺のこと好きって言ってくれた。それが最高に嬉しい。もう野山を駆け回りたい衝動が起こってるよ」
騎手のようにリズミカルな動きを見せおどける和也。私の心と車が、起き上がりこぶしのように揺れる。
「そんなのおかしくない? 付き合ってるならラブラブであるべきでしょ」
「じゃあ別れる?」
和也の鋭い目が、私に突き刺さる。
「それは嫌……そんなこと考えたくない」
和也とこのままお別れなんて嫌。想像しただけで、とても寂しいし、体が引き千切られるようだ。
「美奈子はどうしたいの?」
「このまま待ってほしい。二年か三年くらい……」
時間が……時間が経てば、私のライクはラブに変わるかもしれない。
「待って……それでもし、気持ちが変わらなかったら? どうする?」
「わからない……」
本当に卑怯だ……自己嫌悪で目が焼けるように熱い。
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