おめでとう〜あ・はっぴー・にゅー・いやー〜

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 7(15)年前の七五三。この時も、羽織袴で着飾っていました。瑞穂お婆ちゃんも、まだ元気にしています。…うわあ、琴音おばさん若っ。ゆかり姉さんも幼っ。まだ、この時10歳ですものね。  さらに遡って、10(18)年前…。みな君のお食い初めです。2歳のぼくも、抱っこされています。ぼく自身は生まれて一年ほど京都にいたため、そちらの神社でお食い初めをしたと聞いています。  頭の中の映像は、そこで止まりました。どの映像のぼくらも、とても幸せそうな顔をしていましま。今の幸せが、このままずっと続くと信じ切っていて…。あの時と同じではないけれど、今は今の幸せがきっとあります。そうですよね。  「兄貴、どうした?突然ボーッとして、何か考え事か?」  みな君が聞いてきました。  「ううん、大したことではないよ。今のぼく達にとっては、必要のない事さ。あ、それより縁日出てるよ縁日。何か食べよう!」  そう言って、逆にみな君の手を引いて歩き出しました。  そう。過去にいつまでも囚われていたって、仕方ない。ぼく達の幸せは、これからぼく達自身で掴むのだから…。
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