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「なるほど、生徒の仕業だっていう先生たちの推測の理由がわかったよ。『当校』っていう言い回しの部分だね」
そう言ってみると神崎さんは、ふふんと、これまた擬音語でたやすく記録できそうな相槌で肯定の意を表した。それを聞いて、わたしは話を続ける。
「容疑者を絞られないように、学校の名前を書くか『貴校』とするべきだよね。これじゃあ内部の人間の犯行だってまるわかりだ」
「犯人は、こういう文章をあまり書き慣れていないんでしょうね」
「まぁ中学生なら普通って感じだけどね」
わたしだってパートリーダーになって、部活の運営に絡むようになった今だから知っていることなのだ。
この一年、コンサート開催のための収入源とするため、協賛広告を地域のお店に依頼する文章を、慣れないながらも頑張って書いてきた。
同じ吹奏楽部の三年でも、パートリーダー以外は経験しないことだし。
「でも、お堅い文章に親しみがない、ということ以外には、ほかに手がかりはないね」
「この最低限の文面だと、オリジナリティを出す方が難しいですからね~」
それももっともだ。爆発物を実際に仕掛けたのなら物証も残るだろうが、予告状の紙切れ一枚出すだけなら、尻尾を出すような場面はないだろう。
仕方ないよ、と言いかけたそのときだった。
「おい! そこでなにやってるんだ」
突然後ろから聞こえてきた大声に、わたしたちは体をびくりと震わせた。
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