出会ってすぐにカップルデート?! あつあつお好み焼き物語☆

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 二人はイルミネーションが観れる場所へと移動する。  手袋の無い手が冷たくて、乃依は両手をすり合わせながら息を吹きかけていた。 「あ、悪い。俺、ほんまに気が利かんのよ。こんな寒いのにアスレチックなんか」  栄ちゃんは乃依の左手を掴むと、そのまま自分のダウンのポケットに突っ込んだ。  えっ?!  乃依は驚いたけれど、振り解くこともできず、そのまま歩く。  手を取られているせいで、今までよりぐんと距離が近い。  左手はすぐ暖まり、その熱が体中を回って右手にまで伝わるのを感じる。 「お好み焼き、好きになった?」  どう答えるのが正解なんだろう。  そんなのイエスに決まっているけれど、乃依は素直にそう言えなかった。  イエスと言えば、それはもう栄ちゃんと会う理由が無くなるということだ。  乃依の様子に何を思ったか、栄ちゃんはフッと苦笑する。 「やっぱりの。俺、ズレとんよ。女の子連れてくんならお好み焼きじゃのうて、オシャレなカフェとかレストランとか、そういうんじゃろ? 今までも結構それで振られとるんよ」  違う。そうじゃない。  乃依は首を振る。 「でも、乃依がすごい喜んでお好み焼き食べてくれるけえ、つい嬉しゅうなって」  違うよ、栄ちゃん。  私は本当に楽しかった、楽しかったの!  周りでカウントダウンが始まる。  10、9…… 「今日で最後かもしれんけど、俺……」  3、2、1……  「0」に合わせて叫んだ乃依の声に、栄ちゃんの声が重なった。
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