出会ってすぐにカップルデート?! あつあつお好み焼き物語☆

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 すでに目的を達成した乃依は、残りのクーポンを栄ちゃんに預けた。 「いいの? イエーイ」  栄ちゃんは嬉しそうに歩いていく。  本当は帰っても良かったのだけれど、何となくもったいない気がして、乃依はそのまま後について行った。  何だか『栄ちゃん』と呼ぶのもこなれてきた気がする。 「おめでとうございます!」  その間もあちこちから声はかかり、特典のプレゼントが渡される。  殻付き牡蠣にカキフライ。醤油や地酒の小瓶まで。  いつの間にか乃依の手は、手土産でいっぱいになった。 「持とうか」  栄ちゃんが乃依の持つ、みかんの小袋に手をのばす。 「ありがとう」  その時、お互いの手が触れた。 「うわ、ノイの手、冷たっ」  えっ?   そう言えば、八朔大福を食べた時に手袋を外したままだった。  寒がりの乃依には考えられないことだ。 「何かあったかいもん、食お」  栄ちゃんは荷物を全部持って、フードコーナーへ歩みを進め、乃依は手袋をはめて慌てて続く。  飲食スペースに空席を見つけると、栄ちゃんはそこに滑り込んで乃依を座らせ、ホットコーヒーを買ってきて乃依の前に置いた。
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