永遠の愛を君に注ぐ ─リラとタクの場合─

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 よく晴れた五月の朝だから、公園に行きたいと言い出したのはリラの方だった。    救命救急医の激務の間にやっと取れた午前休、少し遠出して食事でもと思ったのに。そう漏らす外科医のタクの優しさを受け止めながら、曖昧に微笑みを返した。  本音を言えばリラだって遠出をしたい。けれどいざ急患の連絡が入れば、タクはまだ見ぬ患者を思って一刻も早くと焦るだろう。その懸念は軽くしてあげたかった。 「だってもう卵サンド作っちゃったから。こういうのは家より、外で食べた方が美味しいでしょ?」 「マジ? 小学生のデートみたいだ」  小馬鹿にした物言いとは裏腹に、上機嫌で鼻歌を歌い出す巨体に吹き出しそうになる。  リラは小柄な体に肩下までの栗毛を揺らして、素早く水筒にお茶を注ぐとバッグに詰めた。
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