プロム

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 プロムの日、私は初めて着るパーティードレスに身を包み、暁人の車でサンタモニカに在るホテルに向かったわ。私の高校(ハイ)のプロムはこのホテルのパーティ会場を借りて行われるの。 会場は沢山の装飾(デコレーション)に彩られ素敵な曲を聞きながらそれぞれのカップルが思い思いのダンスに興じていた。  プロムの最後の曲『It's Time to Dance』が始まる。緩やかな曲の調べに合わせ、私は暁人と向かい合って踊った。暁人が歌詞を口ずさんでいる。 ≪I' just wanna(僕は君と) dance with you(踊りたいだけさ)≫ ≪Let the world(世界を溶かして) melt away(しまう程、) And Dance with you(君と一緒に踊りたい)≫ ≪All it takes is(必要なのは) you and me, (君と僕と) And a song(そして歌だけ)≫  素敵な歌詞に私の頬が火照ってくる。  曲が終わった瞬間、私達は見つめあった。そして暁人がギューっと私を抱きしめてくれる。 「アナ。君を愛している。来月から、離れ離れになっちゃうけど、僕のこの想いは永遠に変わらない」 「うん、暁人。ありがとう。私も愛しているわ」  見上げると彼は優しい笑顔で私を見つめている。そして私達は初めてのキスをしたの。甘くてキュンとするキス……。私の心臓が急激に鼓動を高めた。  その時だった、突然私は左胸の激痛を感じた。そのまま身体の力が抜け、倒れそうになった私を暁人が支えてくれる。 「えっ? アナどうしたんだ?」  その問いに答える事が出来ず、私は意識を失った。
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