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ドレッサーに写真立てを置いて、外の景色を眺める。
初めての夜。緊張して固くなっていて、私は綺麗だろうか、哲也が幻滅しないだろうかと、抱かれた喜びよりも、こんな私を抱かせてしまったと、自己嫌悪に陥っていた。
「このベッド……」
どのように事が運ぶのだろうと、ずっと思いながら昼の観光をしていた。だけどそれは自然に訪れた。撮った画像や動画を楽しく見ていて、大笑いをして哲也の顔を見ると、急に真剣な顔をしてキスをした。ベッドまで抱き上げられたとき、ものすごく哲也に男を感じたことをはっきりと覚えている。
不安だらけのセックスだけど、受け入れることを私の身体は知っていた。自分の身体が哲也の愛撫で反応して、快楽も感じるなんて、ちゃんとした女だったんだと思った瞬間だった。
翌朝、目が覚めた時、とても恥ずかくて視線をそらしてしまった私に、哲也はぎゅっと抱きしめて、
『大切にするよ』
と言ってくれた。
「哲也、見守っていてくれてありがとう」
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