主人公 ~物を売る-副店長になるまで~

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「お疲れ様です。店長、私の予定ですが、引き継ぎの日が決まりましたら赴任の準備に入らせて頂きたいのですが」 「おう、そうだな。後任は15時にならないと連絡が来ないから、それからだな」 「15時ですか……。私その時間から商談が続いていますので、お返事は明日いただけますでしょうか」 「わかった」 そうだった……。昨今辞令を貰ってごねる奴がいるから、辞令確定は15時だった。まっいっか!仕事しよっと! 売り場に出て夕方のピークを迎える体制かをチェックをしていると。パートさん達が寄って来た。 「早坂さん、何処いっちゃうの?嫌だぁ」 そう言ってもらえるのは嬉しい。でも全国展開のスーパーに入社したのだから覚悟の上だった。 「東京の本社だよ」 「キャー!カッコいい!あっ!てことは彼氏との遠距離恋愛解消ですね?一緒に住むの?旅館の跡取りさんだっけ?」 あっ、そっかその手があった!翔真と住めば節約になる。 「ん~わかんない」 とはぐらかした。 「ところで早坂さん、今度はどんな人が来るの?」 「それもまだわかんないんだ」 「え~っそうなの?うちの会社の人事って何やるにも遅いよね?」 「そうだね。わかったら教えるね」 その人事に私は行くんですけど。と思いながらひきつり笑いをしてその場を離れた。 ところで誰が来るんだろう……。
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