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その騒ぎの合間を縫って相澤君に聞いた。
「精肉リーダーどうしたの?」
「パートさんにセクハラで訴えられて謹慎中。精神的苦痛を受けた裁判起こして慰謝料貰うって」
「えっ?そのパートさんは?」
「まだ働いてるよ、近藤さん」
「はい~っ!近藤さん?」
私が知る限りそんなパートさんではない。勿論精肉リーダーだってセクハラする様な人ではない。
「で、人事は?」
「来たよ。リーダーにはさらっと聞いて、近藤さんの話を鵜呑み」
「出たよ……っちっ!で相澤君は調べたの?」
「あぁ、ある時から近藤さん変わってしまって、気を付けて見たら火曜日の帰りだけやけに派手な服着て帰るんだよ。で水曜のシフトは遅番、それに残業も増えて」
「何それ……不倫?」
「いやっ、他のパートさんの話だとそうじゃないみたい。趣味が出来たって」
「趣味………慰謝料……お金……あっ!」
私はある事を思いだし手帳を開いた。
「どうした早坂」
「黙れ!今聞いてみる。え~っと佐藤朱里……あった。千葉店婦人服配属」
電話をかけた。
「あっ、朱里ちゃん?早坂だけど……聞きたい事があって、地下アイドルって曜日とか決めてライブしているグループとかあるの?……」
やっぱり…。
「ねぇねぇ何?」相澤君が急かす様に聞いて来るので、私の考えを話した
「地下アイドルにはまってる?」
「っそ!お金かかるんだって。それよりセクハラの内容って何?」
「執拗に触って来るって」
「んなん、ビデオ見ればいいじゃん」
「人事って来た時見てるんじゃないの?」相澤君はもう見ているものだと思っていたらしい。
「あの人達はそんな事しません。言ったもん勝ちだから……さっ!見に行こう!保安室」
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