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戸惑う2人をよそに、母親はなぜか1人舞い上がっていた。勘違いをされ、瑠海は別の意味で焦り始めた。
「あの、自分は……」
しかし何と言えばいいかわからず、自分の言葉のなさを責めていると、心が顔を真っ赤にさせて叫んだ。
「お母さん!!」
S2FNの研究所には、笑い声が響いていた。
「うひゃひゃひゃひゃ!! 瑠海ちゃんおっかしー!」
「笑うな……!」
ある少年が腹を抱えて笑っていた。そんな彼に瑠海は若干顔を赤らめて不機嫌そうにしている。心の家から研究所に帰って報告するやいなや、ずっとこの調子である。
「だってさー、僕達に『いかがわしいことしてない』って証明するために、通信機ずっと付けっぱなしにしててさ……声とか全部丸聞こえ〜!」
「う、うるさい……!」
瑠海にしては珍しく気を取り乱している。反応が面白いのか、少年はさらに瑠海をからかい続ける。
「瑠海ちゃん、あんなことしてたら女の子みんな惚れちゃうよ?」
「何の話だ」
「もう、初対面の女の子に『俺がいる』なんてかっこいいこと言っちゃってさー。ホント天然タラシだよねー」
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