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この悪夢封印はなかなか人に信じてもらえない。非現実的で、想像もつかないからだ。しかし、実際に瑠海達S2FNは悪夢に悩む人間達から依頼を受け、悪夢封印をしているのだ。
しばらくして、2人が注文した料理が運ばれてきた。瑠海はすぐにハンバーグに手をつけたが、心は僅かな量のアイスクリームをスプーンですくい、口に入れた。あまり食欲がないことが伺えた。
「その、悪夢封印というのは、どうやるんですか?」
「悪夢封印は悪夢と武器を持って戦うわけではなく、夢の中にいる依頼人に、悪夢に打ち勝ってもらうように働きかけるんです」
首をかしげクエスチョンマークを浮かべている心に、瑠海は続けた。
「悪夢というものは、精神的に弱っている人間に取り憑きやすいと言われています。例えば、毎晩崖から落ちる夢を見る人は、学校でいじめられていて毎日が苦痛に感じている……とか。だからその場合、夢の中で事情を聞いてこちらがアドバイスをする、と言った感じです」
「えっと、それで悪夢を封印できるのですか?」
「依頼人を正気に戻すことで、悪夢が体から離れます。その瞬間に自分が悪夢を封じ込める……ざっとこんな流れですね」
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