悪夢封印

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低く呟くと、瑠海は先ほど店員がサービスで運んでくれた茶を一気に飲み干した。 「では、日にちはいつがいいですか? うちの研究所はいつでも開いているのですが……」 「あの、今日は無理でしょうか?」 「大丈夫ですよ。研究所の方に伝えておきますね」 「あっ、いや、あの……」 心は少し躊躇いながら話を続けた。 「その、ホームページには家でもやってくれるって書いてあったんですけど……私の家に来てもらうことはできますか? 今日ちょうど家に1人なので……」 その言葉に瑠海は戸惑った。確かに訪問して悪夢封印をすることもできる。だが、これまで彼は研究所でしか女性の悪夢封印をしたことがなく、若い女性の家に行ったことがなかった。研究所には女性もいるし、その方が安心ではないか……依頼とはいえ、高校生の男女が部屋に2人きりになるのはいいのかと内心焦っているのだ。 「も、もちろん可能ですが、大丈夫ですか? 男を招き入れて……」 「はい。悪夢を見なくて済むなら……」 「そうですか。ただ、あなたが眠った後夢の中に入るためには、手を握る必要があるのですが、それは構いませんか?」
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