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否定を返せない質問なんて、なんの意味も持たないと、わかっているくせに。
「~~~~どうぞお好きに!」
投げやりに答えて、目を閉じる。
(ああ、もう! どうして私ってばこんな時すら、可愛さのひとつもない態度を……!)
けれどこんな時に可愛さのある返答というのも、どういったものなのかさっぱり――。
「……マリエッタは、もう少し学ばないといけないね」
どこか低い声に、「え」と零した刹那。
「――っ」
重なった唇。
その、さらりとした肌の感触に、ああ、ルキウスとキスをしたのだと理解した直後。
「っ!」
ぺろりとなめられた驚きに開いてしまった唇の隙間から、熱く、柔らかな存在が侵入してくる。
はじめて知る息苦しさと、痺れるような感覚。腰を支える掌が柔く撫でる感触さえ、脳に直接響いてくる。
やっとのことで解放された拍子に漏れ出た吐息は、自分でも知らない甘さをまとっていて。
「――だめだよ、マリエッタ」
てらりと湿った己の唇を優美に舐め、ルキウスがにこりと笑む。
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