転生ガチャ

ガチャを引くぞ

「ちなみに、ご自身のレアリティ出現率内訳をご覧になりますか？」

　い、いや……知りたいような知りたくないような。
　SRが出る可能性もあったはずなのに一回も出なかった、とか、最初からR以下しか出ないとわかって自分のランクをつきつけられるのも悲しい。
　さっきの話を聞いた後だと、俺は赤ちゃん以下の人生を送ってきた可能性すらある。

「まあ、無難に生きてきたほとんどの方はNかNNです」

　だろうな！
　徳を積んだ……かもしれないことはあるが、俺だって大抵の人と同じように嘘をついたり、失敗を隠したり、仲の悪い相手に嫌な態度を取ったりしたことはある。
　善行と悪行、プラマイで考えたらそう大した変動はないだろう。

「かしこまりました。では画面中央の丸にタッチをお願いします」

　俺はようやく、目の前のタッチパネルに手を伸ばした。
　小さな光がフレームの外から中心に集まって渦を巻き、やがて輝きを増した光の珠がはじけとぶ——よくある演出である。
　そして、次の瞬間。