001 

2/2
前へ
/2ページ
次へ
 運ばれてきた人々を、僕は次々と処理していった。  濡れ手で粟を掴んだとしても、零れていった誰かはどうしようもない。  運を嘆く事も、幸運を喜ぶ事も僕には出来ない。  他人を救う資格がない僕は、零れた泡ばかりを覚えていった。  腕の無い少女が、果たしてどちらになるのか分からないけど。  __悪党である故に。  僕は悪党に、手を差し出す事にした。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加