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高校の時は(俺も剣ちゃんも)男子校で彼女もいなかった、今もいないと言うことは...!?
「どうした?蓮、何か顔が赤いぞ」
「えっ...!そうかな?..暑いからかな、ははっ」
俺は笑って誤魔化した。
もしかして剣ちゃんって童貞なのかなと想像したらまたドキドキしてしまったからだ。
「なんか、蓮と居ると落ち着くわ」
「..えっ」
今日の俺は剣ちゃんに久しぶりに会ったせいか、些細なことでドキドキしてしまう...
「昔からの友達ってなんか気が許せるというか」
「そうだね..俺も久しぶりに剣ちゃんに会えてなんか嬉しい」
東京に行ってからの剣ちゃんは都会に暮らしているだけあるのかどんどんカッコよくなって心配だったけど、やっぱり剣ちゃんは剣ちゃんのままだ。
「蓮は今日バイト?」
「うん、夕方からね」
俺は週4で近所にあるコンビニエンスストアで働いている。
「夜暇だからお前のとこに買い物でも行こうかな」
「なんか働いてるとこ見られるの照れるからいいよ..」
でも内心はちょっと嬉しかったりして。
「剣太郎君、夕飯家で食べてく?」
母親が台所から居間に戻って来た。
「今日はそろそろ帰ります。母親が食事作るって張り切ってて..」
「そうよね~、剣太郎君久しぶりに帰って来たから里子さんも嬉しいわよね」
「それじゃあな蓮、バイト頑張れよ」
「うん、ありがと」
剣ちゃんのあぐらの中にいたミケはその居場所がなくなり、俺の方へとやって来た。
「お前はいいよなぁ、甘えられて」
ミケを撫でると答えるように
「にゃ~」と小さく鳴いた。
剣ちゃん...
どうしたらいいの?
剣ちゃんのことが好きで好きで堪らないんだ___
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