2

1/1
前へ
/8ページ
次へ

2

-高校二年生の春 「やったー!うちらまた同クラだ〜!」 百合華とみきは掲示板の前で飛び跳ねた。 もう一度改めてクラスが書かれた紙を見て、百合華は目を見開いた。 「……ちょっと待って、影野くんうちのクラスだ……!!」 -帰り道 「ごめん、明日から一緒に帰れない」 みきは手を合わせて百合華に言った。 「え、なんで!?」 「実はその……牧野と付き合うことになった」 「ええっ!聞いてない!!」 「ごめん、さっき告られて」 みきは笑顔で言った。 「でも、良かったね。だってみきも1年ぐらい牧野くんのこと好きだったもん。おめでとう!!」 「ありがと。で、一緒に帰ることになった」 「え、方向違うくない?」 「あえて遠回りして帰るのよ!……だからもうこれから一緒に帰れない、すまん」 百合華は笑顔で 「私の事なんて気にしなくていいよw」 と言った。 「でもこれから寂しくなるなぁ。一人で帰るのかぁ……」 「せっかくなら、影野と一緒に帰ったら?」 「は、はぁ!?」 百合華は急に早口になりながら、 「い、いやほとんど話したことないんだし?きゅ、急に話しかけられたら怖いでしょ。ははっ」 「同クラになったじゃん。『同クラだよねー!これからよろしく~!』って感じでやればいけるでしょ。」 「いやでもっ、」 「ゆりはいっつもそうやって誤魔化して逃げて、もう高二だよ?うかうかしてると卒業して会えなくなるよ!?」 「まぁそうだけど……」 「頑張れ!」 みきに背中を押してもらい、百合華は明日の帰り、話しかけてみることにした。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加