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-高校二年生の春
「やったー!うちらまた同クラだ〜!」
百合華とみきは掲示板の前で飛び跳ねた。
もう一度改めてクラスが書かれた紙を見て、百合華は目を見開いた。
「……ちょっと待って、影野くんうちのクラスだ……!!」
-帰り道
「ごめん、明日から一緒に帰れない」
みきは手を合わせて百合華に言った。
「え、なんで!?」
「実はその……牧野と付き合うことになった」
「ええっ!聞いてない!!」
「ごめん、さっき告られて」
みきは笑顔で言った。
「でも、良かったね。だってみきも1年ぐらい牧野くんのこと好きだったもん。おめでとう!!」
「ありがと。で、一緒に帰ることになった」
「え、方向違うくない?」
「あえて遠回りして帰るのよ!……だからもうこれから一緒に帰れない、すまん」
百合華は笑顔で
「私の事なんて気にしなくていいよw」
と言った。
「でもこれから寂しくなるなぁ。一人で帰るのかぁ……」
「せっかくなら、影野と一緒に帰ったら?」
「は、はぁ!?」
百合華は急に早口になりながら、
「い、いやほとんど話したことないんだし?きゅ、急に話しかけられたら怖いでしょ。ははっ」
「同クラになったじゃん。『同クラだよねー!これからよろしく~!』って感じでやればいけるでしょ。」
「いやでもっ、」
「ゆりはいっつもそうやって誤魔化して逃げて、もう高二だよ?うかうかしてると卒業して会えなくなるよ!?」
「まぁそうだけど……」
「頑張れ!」
みきに背中を押してもらい、百合華は明日の帰り、話しかけてみることにした。
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