これを言わせて、言いたい、言ってやるぞ

長 虎さん、あんたはファッションセンスがなさすぎです！

「さあ、始まりました。この人には、これを言いたいコーナーです。」
このコーナーはとある有名人にこれを言いたいことを言うコーナーで、本人に直接言えると言うコーナーで人気を博しているのだ。当然中には出演を嫌がる者もいるのだが、このコーナーのレギュラーである今田　宣太は”これに出たがらないのは器が小さい可能性があり、むしろ乗り切れば大物になれる”と断言したのだ。実際にこれに出演した大物はタレント、政治家、著名人、代表取締役など問わずに大物になった。逆に出演希望があっても、出演しなかったり、今田のトークのペースに乗せられて、ボロボロという程、トーク負けをして、自分のトークが出来なかった者は小物に終わるのだ。それで、大物たちを悩ませているのだ。面白くて人気もあるので、出たいのだが、出たら出たで、器が試されるのだ。場合によっては今よりも器が小さくなるのだ。超一流になるかどうかのラインに立つのだからだ。
　今日出演するのは、財務大臣を務めた長（苗字）　虎（名前）という極めて短い名前人物だ。まだ、議員をしていているのだが、今田は、この人物に言いたいことがあったのだ。
「では、本日のゲストを紹介しましょう。長　虎さんです。どうぞ。」
そう言って、拍手と共に姿を見せた。この長　虎は七十代になったばかりのおじんだ。おじんというよりもジジイが正しいのだ。普通は引退の年なのだが、議員を辞めると、趣味がないため、やることがないため、議員を続けているのだが、高く削減されない議員給料や、後輩の育成、経験を積むことを考えれば