第21話:オオカミ耳の娘

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「どうせ、お主も契約を破棄されるのだろう? ならば、我らと冒険者をやってみないか?」 「…………」  尚も、獣人は黙ったままだ。 「返事は、今すぐでなくてもいい。ここを退院する時、最終的な返事を聞きに来る。ところで、私の名はアイーシャ。名前を、聴かせてもらえないか?」 「カマラだガーー! 二つ名は『混沌』」 「ははは! 混沌のカマラか! よろしくな!」 「…………」 「それじゃあ、私たちは失礼する! ゆっくり怪我を治すんだぞ!」  そう言って、病室を後にした。 ◇ 「アイーシャさん! 僕、納得できません! なぜ、あんな無礼な奴を仲間にするんですか?」 「確かにあいつは無礼だが、気持ちが分からなくもないんだ!」 「気持ちですか……?」 「ああ! 食材ハンターというのは、雇われてるとは言え、身分を保証されたものではない。一回でも、仕事に穴を開ければ、さっきの獣人のように首を切られる」 「そもそも、食材ハンターって何ですか?」 「食材ハンターは、王宮に食材を納める際に雇われるハンターの事だ。クライアントが巨大な為、報酬もいいが命がけなんだ。請けた食材は、死んでも納めるのが彼らのしきたり。それを、守れなかった奴には同情するよ」 「でも、それって自業自得じゃないですか? 獲物だって、横取りしたし……」
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