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「麗華さん、一緒にご飯行きませんか?」
合コンが終わり、5人中4人に声掛けられたがその中の一人しか私の好みは居なかった。
萌理と他3人は私の事を置いて、何処かに行ってしまった。
男3人は断り、この一人とご飯に行く事にした。
でも、この人は私の『ある条件』を受け入れてくれるだろうか。
ご飯が終わり、私は外でその彼に急に抱きしめられた。
あれ、名前なんだっけ?
お互い下の名前しか教えていないんだけど、『条件』の事ばかりで話した内容を覚えていない。
「え、何ですか…?」
「麗華さん、急にごめんなさい。でも、俺、好きになりました」
謝るなら抱きしめるなよ、と思ったが、居心地が良いのでそのままで居る事にした。
「ありがとうございます。じゃあ、私のお願い、聞いてもらえますか?」
「良いですよ。麗華さんみたいに可愛い女性の頼みなら」
「じゃあ…」
私は、その彼から離れて顔をじっと見つめた。
「私、三角の形が好きなんです」
「三角?」
「そう、それで三角の物を集めています」
そう言ってスマホを出し、私の部屋の写真を見せた。
「へぇー、ほとんど三角の物ですね」
私は、どれ程三角の形が好きか熱弁し、カバンからカッターを出した。
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