1、薬指✕(バツ)

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「じゃあ、誰がこんな事したんだよ!!」 「一階だから泥棒でも入って来たんじゃない?ほら、窓の鍵開いてるし」 私は窓の所まで行って、鍵を触った。 「泥棒が何で俺の薬指切り取って行ったんだよ。こんな手当てもしている…」 "ちゃんと"手当てしたはずだから大丈夫だと思ったけど、これなら完璧ね。 「良い気味」 「え!?今何て…」 「良い気味だって言ったのよ。私の他に女なんて作るから。これじゃ結婚指輪出来ないわね。あははははっ!!」 誠二はベッドに横たわって一点を見つめた。 「悲しい?」 聞いても何も答えてくれない。 「薬指、返してほしい?」
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