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「美央…俺、美央の事好きだったよ、本気で」
「だから今、そういうの要らないし」
私がそう言うと、ドアのノックが聞こえた。
ドアを開けると誠二の薬指を持った女性。
「あ、美央…も居たのね。久しぶりだったわね」
「え、薬指…」
誠二は、立ち上がって私達に近付いてきた。
「俺の薬指…返せよ。何で…」
「だから言ったでしょ?私じゃないって。切った時見てたけれどね。あー気持ち悪っ。後は二人で。もう二度と二人には会わないからね」
「うん、元気でね、美央」
「じゃあね、お母さん……」
「は?お母さん?え?」
私は勢いよくドアを閉めた。
〈終〉
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