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※ミステリー小説は戦前戦後と「探偵小説」と呼ばれたが、その後、「推理小説」の呼称が一般的となった。
現在は「ミステリー小説」、単に「ミステリー」と呼ぶことが多いため、著者もこのエッセーでは基本的に「ミステリー小説」「ミステリー」と呼称する。
ただし戦前の評論やエッセーを収録している関係上、「探偵小説」「推理小説」の呼称も、場合によっては混在して使用することを最初にお断りしておく。
乱歩ら戦前の作家は「探偵小説」。戦後、中島河太郎らによって書かれた文章は主に「推理小説」と呼称している。
では江戸川乱歩についてまずは簡単に紹介する。
まず『日本人名称事典』(1964 福音館小辞典)から引用する。
○江戸川乱歩
1894~1965 日本の推理小説作家。三重県の出身。本名、平井太郎。早大政経学部卒。1923年の『二銭銅貨』をはじめ、『一枚の切符』『心理試験』『屋根裏の散歩者』によって推理小説の新たな分野を開拓し、異常な心理や情景を描いて人気を博した。
(その他の代表作)蜘蛛男、陰獣、幻影城
↑生前最後の江戸川乱歩全集。全十八巻1961年より桃源社より刊行された。桃源社は乱歩生前最後の書下ろし作品『ぺてん師と空気男』(1959)、自伝『探偵小説四十年』(1961)を刊行するなど、晩年の乱歩とのつながりが深かった。
この全集は乱歩自ら校訂校正にあたった。そのため、
「作品によっては面目を一新したものがあるのではないかと思うのである」
と語っている。装丁は若き日の真鍋博。
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