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 ある少女、家出をして海を目指している。少女がこの街に来たのは不本意だった。母親が父親と離婚をして、親戚の家に転がりこんだ。田舎の社会に溶けこめず、少女は浮いていた。その現実から逃げるために海へ行こうと思いたった。  海へ行く途中、神社に寄った。そこで少年と出会う。小さな体の少年だった。少女は少年を引きつれてふたたび歩きだした。だんだんと日が暮れる。少年が帰らないと、両親にひどい目にあわされるという。少女もそろそろ帰ろうかと思っていた。しかし、心とは逆に口から出たのは海を目指すのひと言だった。日も暮れるころ、海につく。ひとはすくない。少女と少年が途方に暮れていると、見知らぬ男性に声をかけられた。逃げようとするが、むりやり捕まえられる。男性は少年の背中にある傷を見て、彼の境遇を悟った。少女と少年を男性の家に泊める。家とは言っても海辺に建てられた小屋のようなものだ。少女と少年はそこで一夜をすごした。朝起きると、男性が警官と言い争いをしていた。連れ去ったわけじゃない。保護したんだ。そいつの背中を見てみろ。男性が訴える。だが、警官は男性の話を聞こうとしない。連行されていく。そして、警官は少女と少年の保護にかかった。きっとふたりともいえに返されるのだろう。空は今日もブルーだ。  家出をして海を目指した少女の話です。結末はあまりよくなさそうですね。
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