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 ある少女、同級生と学校を抜けだす。  その同級生は身長が高くモーガンというあだ名で呼ばれていた。少女も同級生もクラスで浮いていた。ほかにふたりクラスの仲間に入れない生徒がいて、四人で化けものグループと呼ばれていた。その四人のなかでも少女はその同級生を大切に思っていた。愛情か友情かわからなくなるくらいに特別な存在だった。  学校を抜けだしたふたりは同級生の祖父を探す。行方不明になったのだ。祖父が生きそうな場所に同級生は心当たりがあるという。道路を走り、駅へ向かう。電車に乗り、途中の駅で乗りかえる。事件が起こったのはその駅でだった。老人がホームに転落した。その老人を助けるために同級生はホームへ飛びこんだ。  同級生は亡くなった。  ふたりの生徒が学校を抜けだす。海へ向かって走りだす。ふたりがついた先には少女がいた。海へ来たのは化けものグループのふたりだ。三人で集まる。失った親友のことを思いながら。  主人公の少女がほのかな恋心をいだいていた同級生が死んだ話ですが、読んだ印象は明るいです。青春の話だからでしょうか。
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