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 ある少女、十七歳だ。十七歳はとても中途半端な年齢だと感じる。少女には友だちがいる。その友だちには彼氏がいる。友だちが彼氏の話をするたびにもやもやする。なにに嫉妬しているのか、そもそも嫉妬なのかすらわからない。友だちから彼氏を作ればといわれてもあいまいな返事をする。数か月前、少女に告白してきた男子がいた。返事はしてない。少女は髪を伸ばしている。いまは中途半端な長さだが、冬までにちょうどよく伸びるだろう。  友だちに誘われてライブハウスへ行く。友だちの彼氏がバントをやっている。少女に告白してきた男子も、そのバンドのメンバーだ。ライブを見るが、退屈だった。ライブのあと、友だちと彼氏と、男子と食事をとる。男子が送っていくというので少女はふたりで帰ることになった。その道で告白の返事を聞かれる。少女はあいまいに濁した。どうしたいのかわからない。  その数日後、友だちからあの男子に返事をしたほうがいいといわれる。もやもやが破裂する。なぜ、他人に指図されなければいけないのか。でも、返事をしていない自分が悪いのもわかっている。少女はひとりにしてくれといった。空を見上げて髪を切ろうと思った。ショートヘアにするのだ。結論は出ていないけど、行動する。少女は決めた。  青春のなかで迷いを抱えながら生きる少女の話でした。ふわふわしている感じが青春の王道って感じがします。
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