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 ある男、いままでさんざん罪を犯してきた。とりわけひどいのが女癖だ。七人の女性と関係を持った。だが、男には目的の女性がいた。王女である。その王女を自分のものにするために、女神の力を借りようと思いたった。女神の前であなたよりうつくしいものはありませんと誓った。  知りあいに止めろといわれたが、男は引かない。王女を手にするためにその知りあいを殺した。男が王女に謁見する。王女の家臣は男に聞いた。いままでの女より王女はうつくしいか。男はもちろんだと答えた。しかし、最後の質問で女神よりもうつくしいかと聞かれた。この質問に男は答えられなかった。男はくびを斬られた。  目が覚める。夢だったのだ。街がさわがしい。さわぎの中心へ向かう。そこには自分の死体が。夢ではなかったのだ。男は死んだ。  あらすじはシンプルでしたが、描写が濃い小説でした。描写が好きなひとにはたまらない文体かもしれません。
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