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 ある男性、最近妻が死んだ。その件について悪いうわさが立っている。使用人の態度もその事件以来露骨である。そんな男性に来客があった。新聞記者だ。妻の死んだことについて聞いてくる。毒物で殺されたようですが、心当たりはありませんか。男性はないという。そのとき家が揺れて机のまんなかの引きだしが飛びでた。あわてて引きだしを閉める。新聞記者に釈明する。最近、トラックがとおると揺れるのです。男性は新聞記者を追いはらった。つぎに来たのは男性の愛人。死んだ妻について大丈夫なのかと聞いてくる。男性は大丈夫だと返す。きみとの関係は警察に言うな。絶対だ。むだなうたがいを招くことになる。女性に念を押す。だが、ここでも部屋が揺れて引きだしが飛びでた。男性があわててしまう。引きだしの件をごまかし、女性を返す。いつまでもいられては関係をうたがわれかねない。女性が帰ると、警察がやってきた。妻が死んだことについて聞きたいことがあるという。男性は勤めて冷静に答える。ぼろを出さなければ妻を殺したのはばれないはずだ。しかし、またも家が揺れる。引きだしが開いてでてきたのは妻殺害に使った毒物だった。捨てるに捨てられなかったものだ。  妻を殺した男性が霊現象によって犯罪を暴かれる話です。昔の話なので現代では古いネタになっていますね。
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