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 ある探偵、失恋した友人をなぐさめるために、友人が昔住んでいた街をおとずれる。友人はアパートの変わっていない様子に元気を取りもどした。勝手に空き部屋へ侵入する。そこで口紅で書かれた文字を見つけた。ここから出して出してと文字を書いた主の名前が壁一面に描かれている。事件だと断定した友人は捜査に入った。管理人に事情を聞く。たいした情報は得られなかったが、口紅からは貴重な情報を得ることができた。外国から来た客船で配られた試供品の口紅だ。金持ちの娘にちがいない。名前を手掛かりに探偵は船の乗客から該当する人物を探しだした。その人物がいるホテルの食堂で待つ。その人物に接触を図ると、娘が誘拐されたそうだ。警察には連絡していないという。競馬場で一度身代金を渡したが、娘はまだ帰ってこない。それどころかふたたび金銭の要求をされた。探偵は犯人の指示どおりに動くよう伝えた。探偵も競馬場へ向かう。探偵は母親が金を手渡す人物を発見した。まだ手は出さない。その人物を観察する。その視線から犯人一味のアジトを割りだした。そこへ向かい、監禁されていた娘を保護する。あとは呼んでおいた警察がかたをつけてくれる。事件はぶじに解決した。失恋した友人は事件で知りあった母親に夢中である。こちらもぶじ立ち直ったようだ。  口紅の文字が見つかったときはもっとおどろおどろしい事件になるかと思いましたが、わりと平和な話でした。
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