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 ある探偵、情報漏洩の調査をしている。標的の人物はなにかしらの手段を使って情報を他人へ伝えているはずなのだが、その手段が見つからない。えられている手がかりといえば、その人物はブックマッチの蒐集を趣味にしている。そのブックマッチを使って暗号を伝えているのではないか。くらいのものだった。しかし、ブックマッチにはちょっとした宣伝文と店の電話番号くらいしか文字がない。伝えられる情報がすくない。どうやって大量の文字を伝えているのだろうか。探偵が知りあいの給仕にこの話をすると、ブックマッチのマッチを使って暗号を作っているのではとのことだった。ブックマッチには三十本のマッチが入っている。そのマッチ一本一本に印をつけるつけないと分類していけば、2の三十乗の表現ができる。それを聞いた探偵はなるほどと思った。  ブックマッチがある時代の話ですね。01001みたいにして情報を伝えている話でした。
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