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 ある男性、伯父が残した貴重な切手がどこにあるかわからない。友人に相談する。伯父は伯母に切手の隠し場所を伝えた。この伯母というのが少々変わり者で、訊くという言葉は使わず問うと言いかえるなど大仰な言葉遣いをするくせがあった。その伯母が伯父から聞いたのは「アンアブリッジドの本に隠した」とのことだ。アンアブリッジドというと、辞書の親本だが、探しても見つからなかった。伯父が残した本を片っぱしから探してみたが、これといったものは見つからない。友人は伯父が言ったのはアンアブリッジドではなくアンカットではないかと推理した。男性の伯母が勝手に言いかえたのだ。アンカットの本ならページが袋とじになっている。そのあいだに切手の入った袋を張りつけたのだろう。  独特の言い回しをする伯母とアンカット本が切手の隠し場所をややこしくする話でした。知識がないと解けないなぞですね。
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