173

1/1
前へ
/284ページ
次へ

173

 ある法律家の男性が飛行機で目覚める。自分以外の客が全員消えていた。機内を探す。だれも見つからない。  男性は拷問に関する文書を制作したことで訴訟を受けていた。男性が文書を作成したことで拷問が行われたと。しかし、男性は自分は謝ったことをしていないと思っている。それを訴えるために危険を冒して海外まで行った。  その帰りに飛行機に乗ったのだ。それがこのだれもいない飛行機だ。男性がさらに探す。となりに座っていた女性の死体が荷物を収納する場所に詰めこまれていた。死体には拷問のあとがある。男性はコックピットのドアをノックした。返事はない。スクリーンに映像が映しだされる。女性が拷問されている様子だ。男性が作った文書の手順どおりに拷問は進んでいた。男性が映像に気を取られていると、背後から殴られた。  目を覚ます。男性は映像に映っていたのと同じ取調室にいた。これから拷問がはじまる。手順どおりに。いや、その手順を越えても拷問はやまないだろう。  拷問の手順にかかわった法律家の男性が、今度は拷問される側になる話でした。目覚めたら飛行機の客が消えていた出だしからはちょっとちがう方向へ進みましたね。
/284ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加