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 ある男性、兵士に王妃の犬を見なかったかと聞かれる。男性が犬は足が悪く耳が長いかと聞くと、兵士はそのとおりだという。犬を見たのかと聞くが、男性は見ていないと答える。またあるとき、兵士が国王の馬を見なかったかと聞く。男性は馬は駿馬で白い毛をしているかという。兵士が馬を見たのかというと、男性は見ていないと答える。しかし、犬も馬も近くで発見された。男性は犬や馬を目撃したのに見なかったとうそをついた罪で裁判にかけられることになった。男性は誓ってみていないと主張する。わたしは残された足跡や痕跡からその主を想像したまでだ。男性の言い分がとおり、解放された。男性は余計なことは言うまいと、王子の鳥が逃げても黙っていた。だが、それを見ているものがいた。男性はふたたびとらえられ、有罪になった。  せっかく推理をしたのにろくな目にあわなかった男性の話です。うまくいかないものですね。
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