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 ある男性、過去に起きた殺人事件について告白する。  男性の家の前に踊り子の女性が住んでいた。その女性には愛人がふたりいた。どちらを選ぶのかとうわさになっていた。女性がひとりを選び婚約した。もうひとりは女性と疎遠になった。そんなある日、女性が自宅で殺害されていた。男性は自分が女性を殺したと出頭した。刑務所から女性の婚約者を呼びだす。やってきた婚約者に男性は告げた。お前が殺したのだろう。しかし、罪はわたしが引きうける。なぜ、そんなことをという婚約者に男性は、死というものが好きなのだ。どんなものか経験してみたいというのだった。男性が捕まっているあいだに婚約者はすがたを消し、男性は友人たちのアリバイ証言によって解放された。いまだに惜しいことをしたと男性は悔やんでいる。  死んでみたいという男性の異常さが目立つ話でした。殺人事件がかすんでいます。
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