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 ある男性、妻とともに旅行に行く。旅先である宝石をつけた牧師に出会った。牧師は宝石はにせものだというが、男性には本物だとわかった。たいへん貴重な宝石だ。ぜひとも手に入れたい。男性は牧師に売ってくれないかと提案した。しかし、牧師は母の形見なのでと断る。そのうえ、牧師は母親の具合が悪くなったと、故郷へ帰ってしまった。宝石を逃すわけに行かない男性はあとを追う。粘りづよく交渉し、男性は金額をつり上げ、宝石を手に入れることに成功する。宝石をもって意気揚々と帰ってきた男性だが、妻の宝石がなくなっていることが発覚する。あの牧師が盗んだのだ。それをまんまと売りつけられた。してやられたものである。  やり手の詐欺師の話でした。短編集のなかのひとつで、この男性はこの詐欺師に何回かだまされているらしいです。いいかもというわけですね。
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