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 ある異星人が地球へやってくる。その異星人はいままでに何十回と地球に人員を送ってきたが、だれひとりとして帰ってきたものはいない。この星のなにが彼らの命をうばったのか、いまだになぞだ。この異星人にはどんな形にもすがたを変えられるという性質があった。しかし、星では長年の伝統で家系によりとれる体型が決まっている。また、異星人の星には極端に生物がすくなく、八種類ほどの生物しかいない。異星人はエネルギーを確保するため、最適な星を探し求めていた。それが地球だ。侵略に来たのである。異星人は原子炉の近くに降りたった。仲間とともに侵入を試みるが、警備の人間がいる。異星人は木や犬にすがたを変えて作戦を決行する。しかし、仲間がいくら待っても帰ってこない。こうなったら人間に化けて発電所へ入るしかない。すがたを変えた異星人に犬が話しかけてきた。いなくなった仲間だ。どうして任務を遂行しないと聞くと、この星には理想のすがたがあると返す。故郷にはなかった自由なすがたがここにはある。いままでこの星に来た仲間も死んでなどいない。みな自分の理想のすがたを見つけたのだ。異星人は仲間の変わりように衝撃を受ける。自分だけでも任務をこなそうと意気込む。発電所に入る。原子炉のある部屋を探しあてた。窓から外の様子をうかがう。そこで異星人は気づいた。なかったはずの理想がこの星にもある。異星人は鳥にすがたを変えた。この星で生きていく。  宇宙人の話がまだ新しかったころの話です。アポロが月に行ってから人間は宇宙に関心を失っていましたが、また宇宙へ行こうと盛りあがる時代は来るのでしょうか。火星で暮らせるようにならないですかね。
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