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 宝石店を営んでいる老人。店番をさせている甥とともに探偵に事件の相談に来た。店に来る婦人が商品を万引きするのだという。盗癖というものだろうか。捕まえようにも婦人の夫とは商売上深いつき合いがある。ものごとを荒立てたくはない。そこで探偵に仲介してもらえないかときた。探偵は気乗りしない。ついていくだけだと婦人の夫のもとへ向かう。老人たちが夫の家に行くと、婦人がいた。しかし、店に来た女性とは別人ではないか。婦人が使った小切手にはたしかに夫のサインがしてあったのに。探偵が調査に乗りだす。小切手を調べると偽造ではなくたしかに本物だった。小切手を郵送して使っていたことから、婦人の家の使用人がうたがわれたが、その女性も店に来た人物とは別人だった。しかし、探偵は真実にたどり着いた。老人の甥が犯人のひとりだ。店番をしているなら送られてきた小切手を回収できるし、老人にこき使われていることにたいして恨みをいだいていた。店に来た女性は甥の仲間だろう。事件はぶじに解決した。  自分の扱いに不満を持つ甥が、老人の店から金を奪いとる話でした。妻だと思っていた女性が別人だったらおどろきますね。  知りあいの配偶者でも会ったことのないひとがいるので、本物かどうかまちがえる可能性もあるのかもしれません。
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